航空・宇宙防衛用 圧電式振動センサ

アンフェノールの圧電式振動センサは、極めて高い性能と信頼性が求められる防衛分野、エネルギー分野、産業分野に使用されています。2017年にアンフェノールグループとなったWilcoxon Sensing Technologies社により、ベクトルセンサ、ハイドロフォン(受波器)、水中加速度計、加速度センサアレイ、トンピルズ型トランスデューサ、プロジェクタ(送波器)などが提供されています。

Wilcoxon Sensing Technologies社は、1960年代に現海軍海上戦闘センター(Naval Surface Warfare Center)の技術者によって創設され、50年以上にわたり、潜水艦ソーナーをはじめとする海洋センサ技術を発展させてきました。 主に海洋向けのミリタリー・インテリジェンス、監視、偵察ミッションに対し、圧電効果を用いた加速度計を提供しており、世界初の水中加速度計の開発実績も有しています。

現在では、UUV(Unmanned Undersea Vehicle)向けベクトルセンサのパイオニア企業の地位を確立しており、複雑なセンシング技術を必要とする様々なプロジェクトに採用されています。

主な海洋アプリケーション

水中での情報収集、監視、偵察ミッションに多くの振動センサが用いられています。

  • 曳航ソーナー
  • 固定式ソーナー
  • ソノブイ
  • 音響監視ステーション

(1) ベクトルセンサ

音響センサと3軸の加速度計を一つのハウジングに組み込んだベクトルセンサを提供しています。圧電単結晶材料(PMNPT)を使用した4つのセンサを組み合わせることで得られるカージオイド指向性により、一般的な無指向性の圧力センサに比べSN比が約4.8dB改善し、ターゲットの方位検出を可能にします。

(2) ハイドロフォン(受波器)

海水淡水の両方での長期連続使用に耐え、アンプをビルトインした圧電水晶振動子が水中の微弱音波を確実に捉えます。センサ出力は、受ける振動に比例したAC信号です。このAC信号は、バイアス出力電圧(BOV)と呼ばれるDCバイアス信号にスーパーインポーズされます。

(3) 水中加速度計

潜水艦やUUVに直接取り付けられるよう、電解腐食に強いチタン製やステンレス製のケースを採用しています。高水圧下(4.5MPa)で長期連続使用に耐えるよう、頑強なハーメチックシール構造を採用しており、ヘリウムリーク試験を100%実施しています。