PCBコンタクト付きD38999シリーズIIIコネクタセレクトガイド

PCBコンタクトを使う理由

D38999シリーズIIIコネクタにPCBコンタクトを組み込むことにより、コネクタをダイレクトにプリント配線基板(PCB)に搭載いただくことができます。

従来のケーブル接続に比べ、お客様でのアセンブリに要する時間を大幅に短縮できるだけでなく、機器の小型化が可能になるため、トータルコストの低減に大きく寄与します。 フレキシブル基板を利用すれば、更なる省スペース化も可能になります。

コネクタ形状、プリント配線基板の厚み、スルーホール径、無半田接続など、お客様のさまざまなご要求にお応えすべく、幅広いバリエーションのPCBコンタクトをご用意いたしました。

PCBコンタクトのスティックアウト長の決め方

PCBコンタクトのスティックアウト長は、コネクタシェルの後端からコンタクト先端までの長さを指します。 この長さは、お選びいただくPCBコンタクトの種類だけでなく、取り付けられるコネクタシェル形状によっても変化します 詳細は カタログ 12-092-J P.43 をご覧ください。

なお、PCBコンタクトをお選びいただく際には、以下の点にもご注意ください。

  • シェル形状によって、コンタクトスティックアウト長は変化する。
  • 実装基板裏面からの突き出し長をいくらにするか。
  • コネクタ後端と実装基板との間にどのくらいのスペースを設けるか。
  • 適切なスペースを設けることで、半田腐食の原因となるフラックス残渣を効果的に除去できます。

PCBコンタクトのテール外径の決め方

PCBコンタクトのテール外径は、実装基板のスルーホール(めっき後)内径に合わせてお選びください。 アンフェノールのPCBコンタクトは、外径の異なるバリエーションをいくつかご用意しております。詳しくは、カタログ 12-092-J P.43 をご覧いただくか、弊社までお問合せください。

PCBコンタクトの表面処理

アンフェノールのPCBコンタクトの表面処理は、13μm厚の金めっき (ニッケル下地)になります。お客様での半田実装を容易にするために、予備半田処理したタイプもお選びいただけます。予備半田には60/40鉛錫合金を用います。

アンフェノールでは、お客さまの工程と管理工数を削減するために、標準PCBコンタクトをあらかじめ組み込んだ MIL-DTL-38999 シリーズIII コネクタの品番を設定しております。 注文方法については、カタログ 12-092-J P.45、P.47 をご覧下さい。

アライメントディスク、スタンドオフシェルの便利な使い方

アライメントディスクを使用すれば、PCBコンタクトを実装基板のスルーホールに、より容易に挿入いただけます。またPCBコンタクトの曲がりなどの変形の防止にも役立ちます。

スタンドオフシェルを使用すれば、実装基板とコネクタを確実にネジ止めできるため、コネクタを介して実装基板を筐体に安定して固定することができます。 またノーマルシェルであっても、スタンドオフアダプターを取り付けることで、同様の効果が得られます。

その他のPCBコンタクト

半田を用いずに基板実装できるプレスフィットコンタクトもPCBコンタクトの一つです。 半田の使用が厳しく制限されるアプリケーションでご利用いただける上、実装時間を飛躍的に短縮でき、尚且つ半田を使用しないため、半田付けのための高温処理が不要になるといった特長があります。

差動高速伝送に最適なQuadraxコンタクト及びディファレンシャルTwinaxコンタクトのPCBタイプや、シングルエンド高速伝送に最適な Coaxコンタクト、Twinaxコンタクト、TriaxコンタクトのPCBタイプも、同じくD38999シリーズIIIコネクタにご利用いただけます。

詳しくは弊社までお問合せください。

MIL-DTL-38999 シリーズIII カタログ