なぜフィルターコネクタを使わないのでしょうか

スペースを十分に取れない場所で、お客様からのEMC要求が非常に厳しく、ノイズ対策に苦労していた。その時、フィルターコネクタの存在を知ったが、このようなコネクタだけで本当に対策を打てるのか半信半疑だった。しかし、他の手段を思いつかなかったので、価格も高いし納期もかかるが、試験的に使用してみた。すると、フィルターの効き方が想像以上で驚愕した。すべての不要な周波数帯をキレイにカットしてくれた。価格が高いなりの価値は十分にある。今では、EMI対策が必要な機器にはまずフィルターコネクタの使用を検討している。当社の他のエンジニアにもフィルターコネクタ使用を推奨している。

弊社のフィルターコネクタを使って頂いた某大手航空機器メーカのエンジニア様の実際の声です。

多くのエンジニアは、信号ライン上のEMIノイズをカットするうえで、フィルターコネクタが理想的な手段であると理解しています。そして、欧米ではフィルターコネクタの使用が浸透しているにもかかわらず、日本のユーザーの間では、まだまだ一般的ではありません。弊社は、お客様がなかなかフィルターコネクタの採用に踏み切れない理由を三つに絞り、それぞれについて反証を試みました。

使わない理由1:フィルターコネクタは価格が高い

ノーマルコネクタの10倍、20倍するものがある。いくらなんでも予算がとれない。

[反証の試み]

確かにコネクタだけの価格を見れば非常に高価です。しかし、総合的に見て本当に高いでしょうか。日本で一番高いのは人件費です。もしEMI試験を繰り返し実施しなければいけないとしたら、、、もし機器の再設計が必要になったら、、、もしEMIノイズの発生元を叩くのに1週間でも要したら、、、フィルターコネクタはとても安いお買い物になります。

使わない理由2:フィルターコネクタは納期がかかる

EMIテストは4週間後だというのに、納期が4ヶ月ではとても間に合わない。

[反証の試み]

フィルターコネクタはお客様のカットオフ周波数に合わせて殆ど全てカスタムで製造するために、確かに納期がかかります。しかし、EMI試験で使用されるフィルターコネクタは1~2個で十分だと思います。1~2個であれば、弊社のプロトタイプサービスがお役に立てます。これは、弊社でストックしている豊富なフィルター部品を利用して、お求めの仕様に最も近いフィルターコネクタを手作りし、1~2ヶ月の短納期でご提供するサービスです。お客様は、プロトタイプでフィルターコネクタの性能を確認した後に、安心して量産用のオーダーに踏み切って頂けます。

使わない理由3:フィルターコネクタは信頼性に不安

内部構造が全く見えないので、どうなっているのか不安。出荷試験ってきちんとやっているの?

[反証の試み]

内部構造が見えないことこそが、高い信頼性の証です。フィルターコネクタは、コンデンサ入り多層セラミック基板にコンタクトを半田付けしたアセンブリ体を内部に閉じ込めております。コネクタの前後をエポキシ樹脂で確実に封止し、内部にコンタミ(ホコリや水分)が入るのを防止しています。この処理が不完全だと、コンタミ流入によるピン間絶縁破壊が起こり、重大な事故を引き起こします。

またこのコンデンサで除去したノイズ成分はシェルを通じて筐体(外部)に排出されます。ノイズ成分がコンデンサからシェルまで伝播する間、ノイズ成分は常に金属シェル内に閉じ込められます。これは、除去したノイズ成分は機器内で再放射することなく、確実に機器外に放出できることを意味します。これこそが、ディスクリートフィルターとは比べ物にならないフィルターコネクタの高いノイズ除去能力です。

弊社は、フィルターコネクタの信頼性においてこの構造の重要性を強く認識しており、出荷時にリーク試験を実施しております。また、当然ながら耐電圧試験,絶縁抵抗及び静電容量の測定は100%全数実施しております。

いかがでしょうか。もし、フィルターコネクタを使うことに躊躇されているようでしたら、ぜひ弊社にご一報下さい。お客様の不安(ノイズ)を払拭(カット)することが、私どもの役割です。